Accessにおいて集計クエリとは、その言葉のとおりクエリを用いてデータを集計したい場合に用います。集計の方法として、「合計」、「カウント」、「最大値」、「最小値」や「平均値」等が挙げられ、これらは集計関数によりクエリの結果として出力することができます。
クエリで集計関数を用いると、フィールド単位の数値を集計できます。以下に良く用いる集計関数を示します。
Sum関数: データの合計を計算する。
Count関数: データの個数を集計する。
Avg: データの平均値を計算する。
Min: データの中から最小値を抽出する。
Max: データの中から最大値を抽出する。
今回は、これら集計関数を用いてどのように集計クエリを作成するかを紹介します。
サンプルデータ
まずは集計クエリの作成に向けて「T_集計前」テーブルを作成し、「品名」及び「金額」フィールドをそれぞれ「短いテキスト」及び「金額型」としたデータ型で追加します。
表1 サンプルテーブル「T_集計前」のデータ
品名 | 金額 |
シャープペン | ¥1,200 |
えんぴつ | ¥300 |
えんぴつ | ¥1,000 |
ノート | ¥180 |
定規 | ¥1,250 |
シャープペン | ¥800 |
定規 | ¥750 |
定規 | ¥1,500 |
消しゴム | ¥1,350 |
定規 | ¥1,000 |
シャープペン | ¥600 |
消しゴム | ¥300 |
定規 | ¥250 |
消しゴム | ¥300 |
シャープペン | ¥2,000 |
シャープペン | ¥1,000 |
えんぴつ | ¥1,000 |
ノート | ¥1,800 |
消しゴム | ¥1,050 |
シャープペン | ¥1,800 |
定規 | ¥2,500 |
ノート | ¥720 |
えんぴつ | ¥800 |
シャープペン | ¥1,400 |
消しゴム | ¥600 |
定規 | ¥2,250 |
定規 | ¥750 |
えんぴつ | ¥200 |
えんぴつ | ¥500 |
消しゴム | ¥750 |
集計クエリの作成
サンプルデータを用意した後、まずは選択クエリを作成し、「T_集計前」テーブルの「品名」と「金額」フィールドをフィールド項目に追加します。
続いて、図2に示すように「クエリデザイン」、「集計」アイコンをクリックすることで選択クエリのデザインビューの画面を集計クエリ用のデザインビューに切り替えます。
図3 集計クエリの作成
次に、各集計関数でどのような結果が返されるかを確認するため、フィールド項目を図4のように設定します。
ここで、フィールドと集計項目の設定内容を表2に示します。
表2 集計クエリの設定内容
フィールド | 集計 | 備考(集計を「演算」とした場合) |
品名 | グループ化 | - |
合計: [金額] | 合計 | Sum([金額])と同義 |
平均: [金額] | 平均 | Avg([金額])と同義 |
カウント: [金額] | カウント | Count([金額])と同義 |
最小: [金額] | 最小 | Min([金額])と同義 |
最大: [金額] | 最大 | Max([金額])と同義 |
集計クエリの結果を確認
設定ができたところで、データシートビューで作成した集計クエリを開くと図5の結果が得られます。
集計クエリは、「グループ化」と設定した「品名」フィールドのグループ単位でそれぞれの集計処理を行います。表1と見比べてみると分かるとおり、例えば、「えんぴつ」のレコードを集めてきて、得られたデータの合計金額、平均金額、データ数、最小となる金額、最大となる金額を返しています。
集計クエリには、そのほかに統計量を算出する機能も含まれており、活用することで大量のデータ処理を円滑に進めることができます。
まとめ
今回は、Accessの集計クエリを用いたデータ処理の方法を紹介しました。【集計】で演算を選択することで、グループ化した値を自由に計算処理することもでき、集計クエリの汎用性は非常に高いものです。本記事をご参考に、色々な集計表を作成してみてください。
Accessのクエリを学習する上でご自身にあった参考書をお手元に用意されることをお勧めします。
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