12月に入り、そろそろ年賀状を作らないといけないと思っていませんか。年賀状の作成はそれなりの手間と時間がかかります。そこで、Accessで年賀状用途のデータベースを作成してみましょう。 今回は、Accessの標準機能である「はがきウィザード」を使います。
テーブルの作成
はじめに、データを入れるためのテーブルを作成します。画面上「作成」タブの「テーブルデザイン」アイコンをクリックします。続いて、年賀状の宛先側に記載するフィールド名とデータ型を設定します。
今回の場合は、次のとおりにフィールド名とデータ型を設定しました。
表 年賀状宛先用テーブルのフィールド名とデータ型
フィールド名 | データ型 |
郵便番号 | 短いテキスト |
住所1 | 短いテキスト |
住所2 | 短いテキスト |
氏名 | 短いテキスト |
会社名 | 短いテキスト |
部署名 | 短いテキスト |
敬称 | 短いテキスト |
なお、データベースの正規化の概念を導入すると、「郵便番号」、「住所1」、「住所2」、「会社名」フィールドは別のテーブルに持たせたほうが良いのですが、 説明を簡単にするためにここでは正規化をせずにテーブル設定をしています。正規化については以下の記事をご覧ください。
各フィールドの設定ができたら、テーブルの保存をします。画面左上の「名前を付けて保存」アイコンをクリックし、テーブル名を「T_年賀状」とします。これで、データを入れるためのテーブルを作成することができました。
次に、テストデータを以下のように作成しました。
表 年賀状用テストデータ
郵便番号 | 住所1 | 住所2 | 氏名 | 会社名 | 部署名 | 敬称 |
150-0045 | 東京都渋谷区神泉町5-15-9 | 水野 由紀雄 | 株式会社Access | 営業部 | 様 | |
150-0045 | 東京都渋谷区神泉町5-15-9 | 吉川 繁樹 | 株式会社Access | 営業部 | 様 | |
150-0045 | 東京都渋谷区神泉町5-15-9 | 大野 正進 | 株式会社Access | 業務部 | 様 | |
150-0045 | 東京都渋谷区神泉町5-15-9 | 荒井 聡美 | 株式会社Access | 業務部 | 様 | |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 木村 直子 | Office株式会社 | 業務部 | 様 |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 小西 茂平 | Office株式会社 | 技術部 | 様 |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 平川 田鶴子 | Office株式会社 | 営業部 | 様 |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 菅 直秋 | Office株式会社 | 営業部 | 様 |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 日高 奈緒美 | Office株式会社 | 業務部 | 様 |
572-0833 | 大阪府寝屋川市初町77-1 | オフィスビル1階 | 小川 友良 | Office株式会社 | 技術部 | 様 |
はがきウィザードの使用方法
さて、テーブルの作成、テストデータの作成までできましたので、ここからは「はがきウィザード」を使って宛先レポートの作成をしましょう。
「作成」タブの「はがきウィザード」アイコンをクリックします。これではがきウィザードダイアログボックスが表示されますので、今回は「年賀はがき」を選択し、「次へ」をクリックします。
続いて、対象のはがきに連結するフィールドを選択する画面が表示されますので、先に作成したT_年賀状テーブルを設定し、レポートフィールドにT_年賀状テーブルの各フィールドを割り当てます。今回の場合は、レポートフィールドの住所3及び住所4は使用しません。
これで、宛先の設定はできましたので、次に差出人の情報を設定します。例として、郵便番号に「231-8588」、住所に「横浜市中区日本大通1」、会社名に「株式会社i.System」と入力しました。直接差出人の情報を入力することもできますし、テーブルやクエリから情報を連結させることも可能です。
これで一通りの出力情報を設定できましたので、次は書体の設定です。フォントとして、好きなものを選んでください。今回は筆書きを意識した「HGS行書体」フォントを選択しました。
次に、データを出力するための順序を設定します。例えば、会社名でまとめて出力したい、といった場合に設定をしますが今回は設定をせずに「次へ」をクリックします。
以上ではがきウィザードでのレポート作成が完了しました。最後に、作成したレポートの名称を設定します。今回は、「R_年賀状」とし、レポートをプレビューするに選択を入れて「完了」をクリックします。
はがきウィザードでの設定が完了すると、図8に示すようなレポート印刷プレビュー画面が表示されます。この際に表示されるプレビュー画面は、はがき1枚単位ではないため、これを変更します。「サイズ」アイコンをクリックし、「はがき」を選択します。
この操作により、図9に示すようにはがき1枚あたりでの印刷プレビューが表示されます。ここで、レコードの移動をする場合は、画面下の「◀▶」ボタンを押してください。また、実際の年賀状とレイアウトが若干異なる場合は、微調整をする必要があります。この場合は、デザインビューを開いて、各フィールドを表示するテキストボックスの位置を調整します。画面右上の「印刷プレビューを閉じる」アイコンをクリックするとデザインビュー画面が開きますので、印刷したい年賀状のレイアウトに併せた微調整をしてください。
デザインビュー画面でのテキストボックス等調整は Accessで作る購買伝票について その13レポートの作成 にて紹介していますのでご参照ください。
一通りの微調整が完了したら、レポートを上書き保存します。これで、必要データをT_年賀状テーブルに入力し、最後はR_年賀状レポートを用いることで一括印刷ができます。
まとめ
今回は、Accessを用いた年賀状の作成方法を紹介しました。住所録データはExcelで管理されている方も多数いらっしゃるかもしれません。その場合は、Accessでテーブルをあらかじめ作成し、後程コピーアンドペーストによりデータを移行することもできます。一度データベースを作成してしまえば、来年も再来年も基本的な運用は同様に扱うことができますので、業務効率を改善することができます。年末の忙しい時期に取引先等へ年賀状を作成しなければならなくなった場合は、是非Accessを活用してみてください。
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