Accessでは様々なクエリを用意してデータの処理を効率良く行うことができます。
本ホームページでもこれまでに様々なクエリについて紹介をしてきました。
データベース上の多くのデータをすばやく削除したり、一連のデータを定期的に削除したりする際に削除クエリを使用すると、効率良くデータを処理できます。
削除クエリでは、1つまたは複数のテーブルやクエリを組み合わせたデータソースから条件に応じたレコードを削除することができますので、今回はその作成方法を紹介します。
サンプルデータの用意
サンプルテーブルとして表1に示すフィールド名及びデータ型を設定した「T_従業員」テーブルを用意し、表2に示すデータを登録します。
表1 「T_従業員」テーブルのフィールド名とデータ型
フィールド名 | データ型 |
氏名 | 短いテキスト |
部署コード | 短いテキスト |
年齢 | 数値型 |
電話番号 | 短いテキスト |
出身地 | 短いテキスト |
表2 「T_従業員」テーブルのサンプルデータ
氏名 | 部署コード | 年齢 | 電話番号 | 出身地 |
山田 太郎 | A111 | 35 | 080-1234-5678 | 東京都 |
佐藤 花子 | A101 | 16 | 090-9876-5432 | 北海道 |
鈴木 次郎 | B102 | 40 | 080-1928-3764 | 愛知県 |
一木 英恵 | A101 | 22 | 090-9876-9999 | 青森県 |
中山 一郎 | A101 | 42 | 080-1234-5678 | 東京都 |
上島 達夫 | B102 | 25 | 090-2586-2262 | 三重県 |
続いて削除クエリを作成していきます。
削除クエリの作成
サンプルデータが出来上がりましたので、次に削除クエリで削除したいレコードを確認します。今回は、図1の赤枠で示すレコードを削除できるようにします。
この赤枠で囲ったレコードは22歳と25歳の人のレコードです。単純に「年齢」フィールドの抽出条件を「<=25」とすると、年齢が16歳の人のレコードまで削除されてしまいます。そこで、抽出条件は「Between 22 And 25」とすることでこれらレコードのみを選ぶことができます。
なお、「<=25 AND >=22」でも同じ抽出条件になります。
削除クエリの作成方法は、上でも紹介しました追加クエリの作成方法と同様で、まずは選択クエリを作成し、図2のように条件を設定します。
上述のとおり、「年齢」フィールドの抽出条件は「Between 22 And 25」としています。
次に、図3に示すようにクエリツールの「削除」アイコンをクリックします。
これにより、図2に示すクエリデザイン画面が図4に切り替わり「レコードの削除」の項目が増えます。
これで、削除クエリの設定が出来上がりましたので、削除クエリの実行の様子を確認してみましょう。
削除クエリの実行
図5に示すように「クエリツール」の「実行」アイコンをクリックします。
今回の例は、対象となる2件のレコードがあるため、これらを削除するかの確認画面が表示されます。ここで「はい」を選択すると後戻りはできませんので注意をしてください。
「はい」を選択すると、「T_従業員」テーブルから対象となるレコードが削除されます。
まとめ
今回は、一つのテーブルにおけるデータを削除するための削除クエリの作成例を示しましたが、選択クエリで必要な情報を結合、射影、抽出し、一括でデータ削除をすることもできます。また、定期的にデータ削除が必要な場合には一度削除クエリを作成しておけば、それ以降は削除クエリを実行するだけで必要なデータ処理を行えるようになります。
このように、削除クエリを活用することで効率的なデータ処理ができ、業務効率の改善が期待できます。
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